理事長杯優勝

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2022年理事長杯は予選14位で通過した。予選を通過すると決勝ラウンドはマッチプレーである。真夏のマッチプレーは過酷である。優勝する為には3週連続で36ホールプレーを続けなければならない。70歳をすぎて1日36ホールプレーできるかどうかの不安と楽しみのが交錯している。

1回戦  18ホール

1回戦はHDCP8.2の60代の志筑氏、強敵である。ハンデを3いただいてのプレー、最初の9ホールはお互い譲らずイーブン。後半も一進一退であったが、14ホール目はハンデを有効に使った私の勝ちで1アップとなった。試合の流れが傾きかけてきた15ホール目のショートホールで私はドライバーを握った。185ヤード、手前は池の名物ホールである。1年前、私は月例でこのホールでホールインワンを達成した。強いアゲインストの中ドライバーで放った会心の一打がカップインしたのである。その時よりも風は弱いがアゲインストである。勝負をかけたドラーバーショットは真っ直ぐにピンに向かい、ピン側に落ちたがピン奥10mまで転げてしまった。相手はピン横8m。お互いパーで次のホールに臨んだ。このドライバーショットが勝負の流れを変えたかも知れない。次のロングホールは3打目をピン横2mにつけた私が勝ち、2ホール残して2アップとなり、次のホールで私の勝ちが決定した。

2回戦  18ホール

1時間の休憩をとり2回戦が始まる。相手は50代の木下氏。ハンデなしのマッチプレーである。風が強くなってきた。70代の私にとっては好都合である。しかしながら最初の9ホールは1ダウン。疲れも出てきたのか午前中よりショットが悪い。相手のペースで進んでおり、このままでは負けるかもと思っていたら、11ホール目から相手のショット・パットが急に乱れてきた。相手の乱れに乗じて3ホール連続でアップした私がそのまま流れに乗り勝ってしまった。勝ちに不思議な勝ちありである。

準決勝  36ホール

36ホールプレーして1週間後の準決勝。相手は50代の塩崎氏。ハンデは15.4である。先週も暑かったが今日も暑い。2週連続猛暑日である。準決勝のスタートはテイーオフ前の選手紹介があるので緊張する。『宮本選手、テイーオフ願います』のコールに対して軽く会釈してスタートする。いつもと違う雰囲気でのスタートである。ドライバーショットの着地点もいつもと違っていた。ボールは右のOBゾーンに吸い込まれてしまったのである。相手も初めての経験で緊張していたのであろう。ドライバーを左に曲げて3オン3パットの6。私はOB後パーの6。1番ホールは仲良くダブルボギーでスタートした。3番ホールでバーデーを取り先行したが、その後は一進一退で12番ホールを終えてマッチイーブンで接戦になった。このあと私が2ホール連続でバーデーを取り2アップとなり試合の流れが変わり、20ホール終えて4アップリードとなり俄然有利な展開となった。その後も流れはこちらに傾いたままで27ホール終了時点で6アップとなりほぼ勝負は決まった。

決勝  36ホール

決勝はHDCP8.9で50代の斉藤氏。2年前のクラブチャンピオンである。この日は2週連続の猛暑日に比べてやや凌ぎやすい天気であるが30度を越える暑さであり、高齢者には厳しい条件である。ただ連日の暑さでフェアウエーは乾きドライバーのランが期待でき、飛距離で劣る私にはやや有利な条件である。準決勝終了後、決勝まで雨が降らない事を祈っていたが、祈りが通じたようである。

スタート直後の2番ホールでいきなりバーデーをとられ、厳しい闘いを覚悟した。しかしながら次のホールで、相手が思わぬトラブルに見舞われた。270ヤード先の池に入れない為にFWで打ったボールが堅いフェアウエーに着地しランが多くて池に入ってしまったのである。この一打で気落ちした相手に対し、私の方はその後ミス無くパーを積み重ね4連続アップしたのである。スタート6ホールで3アップは私にとっては思わぬスタートダッシュである。その後は一進一退が続き18ホール完了時点で私の2アップで終わった。

午後のスタート2ホール目で私に大きなチャンスが来た。ピンそば1m弱のバーディーチャンスで有る。相手は10mのパット。相手が外せばその時点で3アップ。俄然有利な展開になる。しかしながら相手はこの10mをねじ込んできた。簡単には勝たせてくれない。お互いバーディーでわかれ。その後はまた私が1〜2打リードしたままのプレーが続いた。1打リードで迎えた31ホール目、435ヤード打ち下ろしのミドルホール。私にとっていつもは2オンが不可能なミドルホールであるが、ハンデホールなのでチャンスでもある。この日はドライバーの調子が良かった。ど真ん中にとんだボールは硬いフェアウェイを転がり続け残り150ヤード地点で止まった。ラフに打ち込んだ飛ばし屋の相手と残り距離はほぼ同じで有る。ドライバーの飛距離が50ヤードくらい差が有るのに、このホールだけは残り距離がほぼ同じで有る。私の思わぬ飛距離に相手も戸惑っているようだ。結局このホールはお互いボギーで上がり、ハンデホールの為私の勝ちとなった。

次のホールは相手のドライバーショットが大きく右に曲がって隣ホールまで飛んでいった。確実にパーオンした私の勝ちとなった。相手のミスで連続アップしたので、4ホール残して3アップである。次のホールが私のアップドーミーホールで有る。しかしながら王手をかけた後が難しい。優勝へのプレッシャーが高まってきた為なのか、次のショートホールでは私がバンカーにいれて負けてしまったのである。3アップが2アップになっただけなのに追い詰められた気持ちで次のホールに向かった。次も私のアップドーミーホールなのに。残りは3ホールである。右ドックレッグのこのホール、テイーショットをミスした相手はピン横1mに3オン。私はピン奥15mに2オン。グリーン上のパット勝負となった。この場面でのくだりの15mはしびれるパットである。15mの下りスライスラインは打ちきれず1メートル以上残してしまった。相手のパットよりわたしの方が遠いのでもう1度私が先に打たなければならない。もしこのパットをはずし、相手が入れればこのホール私の負けである。前のホールは負けてリードを縮められてきていた。試合の流れが大きく変わりそうな場面である。

周りをみると10名以上の人がこちらの勝負に注目している。絶対にショートはしないと何度も何度も言いきかせた。強い気持ちでストレートラインを打ち切ることができた。ボールはカップの真ん中から入った。これでこのホール負けは無くなった。相手が入れてもこのホール分けで、残りの2ホールどちらか引き分ければ試合は私の勝ちである。絶体絶命の相手にとって1メートルのパットは厳しいものである。わずかにカップを外した。私の勝ちである。しばらくして拍手が聞こえてきた。わたしの優勝を祝福する拍手であった。